鈴芽 ~幸せのカタチ~
帰ってきたイチローは、具体的なことは何も言わなかった。

『なんとか無事すんだよ。』

私に気を遣っているのだろうと思い、気になったが何も聞けなかった。

『来月の10日に、また会うことになったよ。』

イチローはあえて理名の誕生日ということは隠して言った。

『そっか。
やっぱりお父さんに会いたいんだね。』

私は今日、
とても長い一日を、
ずっと複雑な気持ちで過ごした。

これから先、こんな日はまた何回も来る。

それは予想していた。

本当は、お願いだから私だけを見て。
私のことだけ考えて。
そんな気持ちだった。
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