よりみち喫茶
「お力になれるかどうかはわかりません。でも、辛い気持ちを和らげることはできると思うんです」
目の前で今にも壊れそうになっていた小さな体を抱きしめたときの気持ちが、胸の中に蘇ってきて心を満たす。
そう、わたしはずっと……誰かの心を救ってあげられるような、癒してあげられるような、そんな温かい存在になりたかった。
目の前のお客さんに、何も知らない私だからこそ、出来ることがきっとある。
それは、一杯のお茶を提供することと、気の済むまで話を聞いてあげること。
そうだ……これからこの店を、そういう温かい場所にしていこう。
「もしよければ、話してください。あなたが抱えているものを。わたしは……いえ、この店は、あなたのような方達の為にあるんです」
初めはただ、疲れていた。
何もかもが嫌になって、疲れきって、もう限界だった。
そんな時に出会った建物が、路地裏にひっそりと佇んでいたこの建物が、わたしを奮い立たせてくれた。
はるくんには居場所が必要で、わたしには生きがいが必要だった。