甘い恋飯は残業後に
慌ててドリンクを一口飲みこんでみる。よく冷えていておいしい。大丈夫、やっぱり間違いなくあの時の“合格の味”だ。
「うまいよ。でも……」
やっと感想を聞けたかと思えば、今度は微妙なニュアンスときた。
もしかして甘すぎるとか? それとも逆に甘さが足りない…?
「これは、料理とは言えないな」
真正面から来るかと構えていたら、後ろから殴られたような衝撃が走る。一瞬で丸裸にされたような恥ずかしさが襲ってきて、一気に煮え上がった。
「も、もちろんこんなの料理なんかじゃないですし! 別に、そんな意味で持ってきたんじゃないですから! もう飲まないですよね、それ飲んだらコップ片付けます!」
早口でまくし立ててしまったこと自体、それを認めているようなものだと、流しでコップを洗っている最中に気がついた。
初めから見透かされていたんだろうか。
穴があったら入りたい、とはこういうことをいうのだと、身を以て知った。