甘い恋飯は残業後に
三時に来客の予定が入っていたことを難波さんはすっかり忘れていたらしく、それからわたし達は慌ただしく『Caro』を後にした。
「桑原は昼飯食ってから帰れ」と言われたものの、自分ひとりだけ食べて帰るのも気が引けて、結局会社に着いてから近くのコンビニまで買い出しに行った。
「……あれ? 万椰さん戻ってたんですか?」
買ってきたサンドイッチをこっそり給湯室でパクついていると、水上ちゃんがひょっこり顔を出したものだから、驚いて噛まずに飲みこんでしまった。
「うっ……」
案の定、サンドイッチが喉に詰まる。慌てて、傍らに置いていたレモンライムハニーを喉に流し入れた。
「わ、大丈夫ですか?!」
一気飲みしたから、どうにか流れてくれたようだ。咳払いをして、喉の調子を整える。
「……大丈夫。真っ直ぐオフィスに戻らなくて、ごめんね」
「いえ……っていうか、もしかしてお昼食べてないんですか……?」
「うん……ちょっと、食べそびれちゃって」
水上ちゃんはコーヒーメーカーにコーヒー豆をセッティングしながら「信じられない!」と憤慨している。