適当魔法少女・りおん

来るっ――「転校生」が――。


この喜びを、ステッキさんに伝えたいのだが、状況を気遣ってなのか、あれっきり鞄の中でだんまりを決め込んでいる――。




「ぐへへ――」


妄想りおんが復活する――。


「むふふ――ツインテール、ドリル、ツンデレ、優等生タイプ――どれかなぁ――」


妄想内で、シミュレーションを繰り返すりおん――。




「じゅるる――」


快楽のヨダレを拭う――。



チャイムが鳴り、すかさず若い女性担任教師が、教室に入る――。


起立、礼の動作を行い、着席する――。





「まず、皆さんに大事なお知らせがあります――」


「よしっ――新キャラ追加決定っ――」


心で囁き、拳を握り、「勝利」を確信するりおん――。





「非常に残念なのですが、今日から皆さんと一緒に中学校生活を送る筈でしたりおんさんが、お父様のお仕事の都合で――」



「転校する事になりました――――」








「えっ――――」



つづく――――。

アンリ·みのり

< 84 / 86 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop