薬指の約束は社内秘で
そろりと後ろを振り返り、大地と話す彼の姿にヒュッと変な息が口から零れた。
「な——んで、瑞樹が、ここに!?」
予想外の人物の登場に、声が思いっきり裏返る。
ゲホゲホッと激しく咳き込んでいたら、椅子から立ち上がった瑞樹に「はい」と透明なコップに入った水を差し出された。
「ありがとう」と言ってそれを一気に飲み干すと、「あっ」と小さく漏らした瑞樹がそっと顔を寄せてくる。
「それ、俺のだった。間接キス、しちゃったね?」
耳朶をふわっと掠める吐息に、至近距離にあるいたずらっぽい笑みに、ドキッとしたのは私、ではなく。
ダンッとカウンターに手をついて体を乗り出したお父さんで。
「愛! おっまえ、結婚前の生娘がセクハラってどういうこった!?」
わなわなと唇を震わすお父さんにぷっと大地から笑い声が漏れる。
「セクハラの使い方間違ってるし。生娘って戦後かよ。平成にいねぇよ、そんな女」
「な——んで、瑞樹が、ここに!?」
予想外の人物の登場に、声が思いっきり裏返る。
ゲホゲホッと激しく咳き込んでいたら、椅子から立ち上がった瑞樹に「はい」と透明なコップに入った水を差し出された。
「ありがとう」と言ってそれを一気に飲み干すと、「あっ」と小さく漏らした瑞樹がそっと顔を寄せてくる。
「それ、俺のだった。間接キス、しちゃったね?」
耳朶をふわっと掠める吐息に、至近距離にあるいたずらっぽい笑みに、ドキッとしたのは私、ではなく。
ダンッとカウンターに手をついて体を乗り出したお父さんで。
「愛! おっまえ、結婚前の生娘がセクハラってどういうこった!?」
わなわなと唇を震わすお父さんにぷっと大地から笑い声が漏れる。
「セクハラの使い方間違ってるし。生娘って戦後かよ。平成にいねぇよ、そんな女」