薬指の約束は社内秘で
ねぇ、お父さん。本当は、知ってるんだ。
お父さんが私の誕生日を忘れてなかったこと。

忘れたフリをして後で驚かそうと準備をしていたのに、あの日は町を騒がす事件が起きてしまい、お父さんはそれに駆り出されてそれどころではなくなった。


『愛は、俺の宝物だからな!』

お父さんはいつもそう言って、優しく頭を撫でてくれた。
それも全部嘘だと思って悲しかった。


でも黙っていなくなった私を見つけた時、お父さんは叱るでもなくただ抱きしめてくれた。

ついさっき金ちゃんおじさんが、こんなことを教えてくれた。

『自分の悪ふざけが愛ちゃんを傷つけちゃったこと、ヒロちゃんはずっと悔やんでた。だから今回はなんとか喜ばせようと必死だったんだ』
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