薬指の約束は社内秘で
そして欲張りな私は流れ星の神様に、もう一つ叶えてほしかった。


『どうか、私をいい子にしてください』


だって、いい子になれば——

『愛、お誕生日おめでとう』

お父さんだってそう言って頭を撫でてくれるはずだから。


自分でも何を言いたいのか分からなかった嗚咽混じりの言葉。
黙って聞いていたその子が、涙でぬれた手を握りしめて約束してくれた。

『流れ星の神様の代りに、僕が叶えてあげる。空飛ぶ車を作ってみせるよ』

意志の強い声に溢れ出た涙がピタリと止まると、『今日誕生日なの?』と顔を覗き込まれて、涙でぐしょぐしょに濡れた顔を縦に振る。

私を見つめる瞳が柔らかく細まり、彼は一番ほしかった言葉をくれた。
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