薬指の約束は社内秘で
すると、プレゼントを貰ったのは私の方なのに。
彼は宝物を手に入れたような満面の笑みになったんだ。


私よりもずっと愛らしい顔を見ていたら、何かお返しがしたい、とそんな気持ちに突き動かされて、背中に背負ったままだったリュックから水筒を取り出す。

水筒の中身は高良町名産のお茶で、それを彼に御馳走しようと思った。

だけど、『いらない。お茶、苦いから嫌い』と首を横に振られてしまい、茶の名産地で生まれ育ったプライドが、それを許さなかった。

『絶対おいしいから、騙されたと思って飲んでみてよ!』

お父さんが嫌いなものを食べさせようとする時に、よく使うセリフを言ってみたけれど、ぷいっと顔を背けられてしまう。

『嫌だ。騙されたくない』
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