薬指の約束は社内秘で
「瑞樹はあの場所のことをずっと『二人が会った場所』って言ってたよね。『俺達が会った場所』とは一度も言ってなかった気がする」

私の言葉に瑞樹は俯いていた視線を引き上げる。

「結果的に嘘をついてたことには変わりないんだけど。そこだけはダメだって思ってたから。知りたかったんだ。あの日、何があったのかを……」


瑞樹はそこで一度言葉を止めると、視線を私から車窓に流す。
外を流れる景色よりもずっと遠くを見つめる瞳でぽつぽつと語り出した。

「前に話してくれたよね。あの日、あの場所で俺に会って自分は強くなれたって。でもそれは優生も同じなんだ」

静かな声で語り出した瑞樹の話は、二人がまだ幼かった頃まで遡る。



瑞樹と葛城さん同じ小学校に通っていたらしい。
葛城さんはその頃から、成績もスポーツもトップクラスで、性格も大人しい優等生キャラだったという。
< 375 / 432 >

この作品をシェア

pagetop