薬指の約束は社内秘で
「全部、繋がってたんですね……」


感情が高ぶって少し震えてしまった声に、「藤川?」と戸惑う声が重なる。

体を反転した葛城さんが体を屈め、私の顔を覗き込んだ。

心配げに影を帯びる瞳。言葉一つで動揺する彼に愛しさが込み上げる。

言いたいことや聞きたいことがたくさんあるのに、言葉では伝えきれない想いがどうしようもなくまぶたの裏を熱くさせる。


でもダメ。まだダメ。ちゃんと気持ちを伝えるまでは泣いたりしたらダメだ――

震える胸に言い聞かせてから声にした。


「葛城さんは、いつも正しかった。でも1つだけ間違ってた」

心配げに揺れる瞳に、いまできる一番の笑顔を向ける。

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