薬指の約束は社内秘で
「あれ、やるぞ」

葛城さんはそう言って私の右腕を掴むと、狭い道をすり抜けて歩き出す

強引に腕を引かれ問い返す暇も与えない。
ただただ引きずられるように足を進め、ある露店の前でようやく私の腕は開放された。

丸いターンテーブルにはお菓子が入った小さな箱や、おもちゃがカタカタと音を立てながら回っている。
ホットドック屋の近くで私を笑った男の子達が、興味津々な眼差しでおもちゃの銃をかまえる男性を見ていた。

射的かぁ。やったことないなぁ。

「勝った方がホットドッグおごりな?」

店の店主に小銭を渡した葛城さんからおもちゃの銃を手渡された。
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