薬指の約束は社内秘で
「姉ちゃん、すっげぇーな。射的はダメダメだったけどさ、見直したよ。でもさ、そっちの男はもっと頑張れよなっ」

「そーだぞー。もっと頑張らないとチューさせてもらえないぞー」

「チューより、もっとすごいこともさせてもらえないぞー」

ニヤニヤ笑う男の子達に、葛城さんは鋭く瞳を光らせる。
そして射的で取った水鉄砲をスッと顔の位置まで引き上げたから、

ヤダッ、本気だよ! この人!!


「あっ、あのね! おもちゃとお菓子も全部あげるから、早く帰ろうね」

「えー、いいの? ありがとう」

「姉ちゃん、ありがとう。兄ちゃんと仲良くね」

両手いっぱいのお菓子とおもちゃを二人の胸に押しつける。
すっかりご機嫌になった背中をぐいぐい押して、なんとかこの場から立ち去らせた。


よかった。大人げない大人の行動を見せないですんだ。

はぁ、と短い息をつくと頬にピシッと冷たい感触。
恐る恐る顔を横に向けると、不機嫌全開な顔が私を見下ろしていた。

< 74 / 432 >

この作品をシェア

pagetop