薬指の約束は社内秘で
職場にプライベートな問題を持ち込むなんてダメだよね。

食後のデザートのショートケーキに八つ当たりをするように、フォークで大きく切って口に入れた。

「あぁ、やっぱりいいな。甘いものって。疲れた脳を癒してくれるよねぇ」

「そう、ですね……」

美希ちゃんがドン引きするほどの大口を開け、4口で食べ終わる。
すると『ある考え』がポンッと頭に浮かんだ。

「美希ちゃん、わかった。彼は酔うと抱きつき魔になるんだよ」

なるほど。それだ! それで落ち着こう。納得もできる。

普段は不愛想地蔵化してる葛城さんだって、やっぱり男だったってことでしょう。
誰かの温もりが恋しくなる時もあるってもんだよ。

「よし、これで解決。あぁ、すっきり!」

晴々した気持ちでコーヒーを口にすると美希ちゃんから「はぁ?」と不満げな声が漏れた。

「おかしいですよ、それ」

「そうかな? だってそういう人っているみたいだし」

「そりゃー、いるにはいますけど。でも私の経験上、何度も名前を呼んでわざわざ相手を確認するなんて。そんなご丁寧な人はいませんでしたよ」

なんと! 5日間考え抜いて出した結論が、ピシャリと一瞬で跳ね返された!!
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