LOVEPAIN③

「成瀬さん、あの、ありがとうございます。

またこの指輪代も、給料から引かれるのですか?

あっ、勿論、私はそれで構いません!
それでも、助かります!」


自分の指で光るそれを見て、本当に安心した



同じ物を用意したらいいって単純なものではないのかもしれないけど、

とりあえずは、
須田に対して謝らないと、とか、悩まなくて済む




「いや、やる」



「えっ?
やるって、くれるって事ですか?」



成瀬は赤信号でブレーキを踏むと、こちらを向いた




「その指輪は、俺がお前にやるって言ってんだよ」


成瀬は私の左手の薬指を指輪の上から触れる



私はその指から、
成瀬の顔に視線を向けた


目が合ってしまう




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