LOVEPAIN③

「ふ~ん」


成瀬はつまらなさそうに、
部屋の鏡台の椅子を引っ張り出して、こちらを向いて座っている



そんな成瀬の様子を見ていると、
なんとなく私とマッパ後藤との事に妬いているのだと気付いた




「もしかして、成瀬さん、妬いてたりとかします?」


なんとなく、自分が優位に立ってるみたいで、
無意識に頬が緩んでしまう




「別に。
妬いてないけど、マッパ後藤はお前の共演NGの男優にしといてやる。

もう二度と、お前と絡む事ないから」



「共演NGって……。

そんな事出来るんですか?」



「女優の方が、どうしても絡みたくない男優は、NGを出せる」



「え!じゃあ、あの股間に香水振ってた早立良太も出来るんじゃあ……」


前に、二度と早立良太は嫌だと話したら、
それは少し難しいような反応だったのに……


武石健も、いい人だからこそ私は二度としたくないって言った時だって




“――出来る限りお前の意見を通してみるけど――”


その言葉で、片付けられて





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