LOVEPAIN③


「和真さんとも、本当はそれっきりになるはずだったんだけど。
父親との関係が切れたあの時点で。

だけど、あの人、それからも時々、俺の前に現れるんだ。
今日のは偶然だけど、時々」



「それは、成瀬さんに会いたくて……」



そう口にして、そんな訳はないよな?と、先ほどの和真の態度を思い出す



でも、素直になれないだけで、実は弟が可愛いのでは?




「見張られてるみたいで、怖いんだよ……。
俺が、ちゃんと自分より下で居るかどうか。

和真さんの前に居ると、怖くて体が震えんだ。

それは、ガキの頃からずっと。

優しい言葉を掛けられてる時も、
俺、ずっと怖くて、テーブルの下とか、見えない所で震える手を押さえていた」


そう口にした成瀬は、
今迄で一番苦しそうな顔をしていた



苦しいだけじゃなくて、何かに怯えているような




ふと、成瀬の手を見てしまうが、
膝の上で握り合っている両手が、震えている






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