LOVEPAIN③
「さっさと乗れば?」
そう声を掛けられて、
こちらを見たナツキのその顔に、
瞬時だけど、見惚れてしまう
本当に、相変わらずこの男の顔は整い過ぎている
「――あ、ベンツなんですね?
妙にナツキさんに似合ってますね」
久し振りに座る、ベンツのそのシートの心地好さを感じた
成瀬達が会社の車だと乗っていた黒いベンツと同じで、
黒い皮のシート
色の違いはあっても同じベンツだけど、
多分、成瀬達のあのベンツよりも、
さらに高いような気がする
なんとなく、だけど
「まぁ、客からの貰い物だけど。
去年の誕生日プレゼントで」
「ベンツなんか貰えるんですか?!」
思わず、大きな声を出してしまう
だって、ベンツを誕生日のプレゼント、って……
ましてや、家族や恋人でもない人物から……