ポジティブGIRLと愉快なBOYたち
呆れる通り越してまあ人それぞれか、なんて変に納得してしまっている。





男5人の目的地の自動販売機に目を向けた時、1人の女の子の姿がみえた。





「......何やってんだあの子」





思わず呟いて4人の意識を前に向ける。





全員がその子を捉えると怪訝そうな表情を浮かべた。


多分俺も、自動販売機の周りを歩く人たちも同じ顔をしてる。





だって普通に何やってんのかなって思うじゃん。女の子ってもっと清楚なイメージでいて欲しいじゃん。





なのに目の前の女の子は土下座をする勢いで床に這いつくばって自動販売機の下の少しの隙間を一生懸命覗き込んでるんですけど。





ちょ...どう対処したらいい訳?俺ら今からそこ行くんですけど。





悠「...取り敢えず声かけてみる?」




黎「じゃあハル最初な」




悠「え、やだよ!友達かと思われんじゃん」




沙「ここは自動販売機に誘ったナツからな」




夏「無理無理無理無理」




黎「全力て嫌がり過ぎ」




「運命の出逢いとやらを求めてたお前が行け。絶好のチャンスだろうが」





役を押し付けあう奴らに呆れた俺は占いを忠実に信仰しようとしてるバカのケツを蹴る。





沙「うお...っ」



「な...ってめ...!」





咄嗟に俺の制服の袖を掴んだ沙絃に道ずれにされた俺は、勢いのまま不可思議な行動を起こす彼女に誰よりも一番近づいてしまった。





きゅっと鳴る上履きの音に反応した彼女が顔をあげる。





そのルックスに俺の心臓は予想以上に跳ね上がった。




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