platonic love
シンデレラは12時に帰らなければいけない。帰るとき、寂しくなかった?
寂しかったから、靴を脱ぎ落とした?
2時間はあっという間で、もうそろそろ帰らなきゃいけない。
今日が終わることが嫌で、本当はもっと一緒にいたかったけど、これ以上ママにも心配かけれない。
『もうそろそろ帰ります!』
「ねぇねぇ」
あたしがそう言うと、隣に座っていたタクヤ先輩が、手招きをする。
タクヤ先輩の口元に耳を近づけたら
「怖いから送ってっていいな」
『…はい!ありがとうございます!』
あたしも思わず小声で返事をした。
背中を押してくれる人がいる。
あたしの恋を応援してくれてるのかはわからないけど、今この瞬間の想いを大切にしてくれる人がいる。
『神崎先輩、夜遅くて怖いんで送ってくれませんか?』
先輩は、優しく笑って、タバコを床に押し付ける
「坂の下までね」
その声と同時に立ち上がって歩き出す。
タクヤ先輩たちに何度も頭を下げて、後ろをついていった。
月明かりに照らされる先輩が
眩しくてどうしようもない
生まれて初めて
こんなに欲しくてたまらない