魅惑な彼女
高校2年生になった芹沢御幸はまた倉持奏と同じクラスになった。
「うーん……」
「どーしたんだ奏?なんかあったか?」
「いや、今日ちゃんと出来てるのかなぁって」
あえて誰がとは聞かない。
散々今まで奏から聞いていた事だ。
今日は妹の未亜の入学式だということ。
わがままに生きろ、とは言ったけどまさか同じ榊高校に来るとはなぁ。
御幸はそれは予想外だった。
おかげで心配性な奏に相談を持ちかけられて大変だったのだ。
まぁ、でも
同じ高校に通えて実は嬉しいんだよね。
その気持ちにあえて蓋をして奏をまた慰める。