魅惑な彼女

入学式と始業式が終わり、御幸と奏は野球部へと向かう。
今年も野球部事務の人が何人か推薦で取ってきたようだ。寮にも入ったと聞いている。
毎年野球部の入部希望者は多く、部員は総勢100人を越える。
どれだけ広いグラウンドを持っていても全員が全員、思い通りに出来る練習をするわけではない。新入生は主に体力作りで1年を終えるものだ。
なのに御幸と奏は1年のくせにレギュラー入りした者だ。当然、期待などは重い。

部活を始める前にバットやボールを出すため、御幸と奏は倉庫へと向かった。

「御幸せんぱーい!お兄ちゃんー!」

そこに元気な声が聞こえる。

「未亜ちゃん」

走ってくる未亜は榊高校の制服を身にまとっていた。

「未亜クラスどうだった?」

「良さそうだよ。まぁ初日から目立っちゃったけど」
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