息をするように恋をする
つまらない
ゆっくり瞼をあける。
まだ薄暗く、ぼやける視界。
静まり返った部屋で、サアサア雨の音が響いていた。
雨は嫌いじゃない。
湿った土の匂いとか、傘に当たる雨粒の音とか。なんとなく滲む街並みとか。
-うん、嫌いじゃない。
雨の音をぼんやりと聴きながら天井を見上げる。
見慣れない、真っ白な天井を規則的にカチカと小さな灯りが点滅して照らしていた。
-あ、携帯。
今が何時頃なのか、まだ夜中なのか寝過ぎて1日が過ぎ、また夜になってしまったのか、分からなかった。けれど、どうでもいいことだ、と改めて思った。
七連休の初日。寝過ごして1日を無駄にしたって、休みはまだまだある。
右手を真上に伸ばして、灯りの原因である携帯を手繰り寄せると、画面をタップして表示を確認した。ラインが一件。
『友達との約束なくなったから、今から会いたいんだけど。今どこ?』
メッセージの下には、抱きつくウサギとクマの可愛いスタンプ。
開いてしまったから、既読のマークがついた。失敗した。
嘘は嫌いなのに、嘘をつかなければならない状況にあたしは大きく溜め息をつく、と同時に煩わしさを感じていた。
暗さに慣れてきた目で隣を見ると、寒いのか顎まですっぽり毛布を被った智也が、呑気にスウスウ寝息をたてていた。
まだ薄暗く、ぼやける視界。
静まり返った部屋で、サアサア雨の音が響いていた。
雨は嫌いじゃない。
湿った土の匂いとか、傘に当たる雨粒の音とか。なんとなく滲む街並みとか。
-うん、嫌いじゃない。
雨の音をぼんやりと聴きながら天井を見上げる。
見慣れない、真っ白な天井を規則的にカチカと小さな灯りが点滅して照らしていた。
-あ、携帯。
今が何時頃なのか、まだ夜中なのか寝過ぎて1日が過ぎ、また夜になってしまったのか、分からなかった。けれど、どうでもいいことだ、と改めて思った。
七連休の初日。寝過ごして1日を無駄にしたって、休みはまだまだある。
右手を真上に伸ばして、灯りの原因である携帯を手繰り寄せると、画面をタップして表示を確認した。ラインが一件。
『友達との約束なくなったから、今から会いたいんだけど。今どこ?』
メッセージの下には、抱きつくウサギとクマの可愛いスタンプ。
開いてしまったから、既読のマークがついた。失敗した。
嘘は嫌いなのに、嘘をつかなければならない状況にあたしは大きく溜め息をつく、と同時に煩わしさを感じていた。
暗さに慣れてきた目で隣を見ると、寒いのか顎まですっぽり毛布を被った智也が、呑気にスウスウ寝息をたてていた。