恋愛ミステリーツアー
驚いて私は叫んだ。
「仲間部長こそ、何んで?!」
「なんでって、
愛しの奥さまの忘れ物を取り来たんだろ。で、見つかったのか 」
私が黙って首をふると、仲間部長は大げさにため息をつくと、捜すのに夢中で這いつくばっていた私の横にしゃがみ込んだ。
「俺も捜すよ…。」
しばらく2人で無言で捜し続けたが見つからない。
「なんで無いんだろう…。」
私のつぶやきに仲間部長は答えず、どこから取り出したのかエルメスのスカーフをチラつかせた。
仲間部長と千波を結び付けた、ハンカチのお礼にと千波から貰ったスカーフだ。
「このスカーフ最近付けないから、無いんだと思ってたけどまだ、持ってたんだな。」
エルメスのスカーフをヒラヒラしながら仲間部長が意味深に笑う。
「このスカーフさあ
実は、俺が買ったんだよ。
しかもお前のイメージに合わせて選んだんだよなあ。
この俺が、お前の為に…。」

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