【完】クールな君に胸キュン中!
「あんたの羞恥心なんてどうでもいいんだよ。ほら、早く」
急かすように促され、あたしはしぶしぶその背中に覆いかぶさった。
一瞬にして桐谷くんはあたしをおぶって立ち上がる。
いつもより自分の目線が高くなった。
……この高さが、桐谷くんの見てる景色……。
目線の高さだけで、こんなにも世界の見え方は変わるんだと感動してしまった。
後ろからだけど、桐谷くんを見下ろすことができるなんて新鮮だなぁ。
そんなことを思ってると、資料室のドアが開いた。
薄暗い教室に、一気に廊下の光が入り込んでくる。
「折原!」
「……イッチー」
イッチーは、あたしをおぶってる桐谷くんを見てビックリしていたけど、あたしの元へと駆け寄ってきた。