【完】クールな君に胸キュン中!
「あ、折原!遅かったな。桐谷には会えたか?」
「うん……」
須賀さんと別れて、あたしはイッチーと舞ちゃんがいる場所へと戻った。
「なんかあった?」
舞ちゃんが、心配そうにあたしの顔を覗き込む。
「えっ……なんで?」
「なんか、元気ない気がして」
「うそ? 全然大丈夫だよ!」
「ならいいけど……」
いけない、いけない。
心配かけちゃダメだ。笑ってなきゃ!
試合が再開され、桐谷くんがコートの中に入っていった。
須賀さんに桐谷くんのことを悪く言われたとき、すごく悔しかったな……。
あたしのことは、いくらでも言えばいい。
だけど桐谷くんを傷つけるような言葉は、言わないでほしかった。