庭師とお姫様 (naturally番外編)
「姫。この先ずっと、俺の隣で俺の名前を呼びながら笑っていてください。俺は貴女の笑顔がどうしようもなく好きなんですっ」



いつもの人懐っこい笑顔をパッと輝かせた彼は、腕の中から自分を見上げる姫の唇をチュッと啄んだ。



驚いたのは一瞬。
込み上げてくる喜びに、思わず姫は背伸びをして首元へとギュッと身を寄せる。



「私も貴方の笑顔がとても好きです……。だからずっと隣に居させてください」



姫の言葉で嬉しそうに頬擦りをする彼に、たった今彼から貰ったプロポーズの言葉をもう一度思い出してみる。



……そこでふっと気付いたこと。



「あの……出来れば、お名前を教えてください」



「あっ……あははは! すっかり忘れてた」



今さらすぎる質問に、自分が名乗り忘れていたことも、姫が聞き忘れていたことも含めて思わず笑ってしまう。


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