庭師とお姫様 (naturally番外編)
「俺の任務は密偵だけでなく、国の重鎮を狙う暗殺者の抹殺です。こんな穢れた手をした俺は、貴女のような美しい人には似つかわしくない」



「穢れてなんかいません! 鳥を助けたり、孤児を拾って育てたり……未来に絶望していた私も救ってくれました……優しい人です」



自嘲じみた笑みを浮かべた彼の目を見つめ、姫は必死に募る想いを伝えていく。



涙で咽びそうになるのをこらえ、



「許されるなら……私を貴方の傍に置いて貰えませんか?」



力なく下ろされていた彼の手を掴み、両手でギュッと握り締める。



「参ったな……俺の本当の仕事を貴女に伝えたら嫌われるかもって、ずっと考えてたのに。まさか、こんなお願いをされるなんて」



「嫌うはずがありません……。心根の優しさはずっと私に伝わっていましたから」



そう言って笑いかける姫を勢いよく抱き締める。


< 42 / 70 >

この作品をシェア

pagetop