屋上で待ってる
「…」
「…」
小学生の頃から親友やってるけど、ここまで気まずい思いをしたことがあっただろうか。
中庭にある木の椅子に向かい合って座っている私たち。
芽衣の表情は俯いていて見えないけど。
さっきの様子から、相当心配してくれていたことが分かる。
そりゃそうだ。
本当は飲み物買って、すぐ二人のところに戻るはずだったんだもの。
友達として、そこは帰ってからでも連絡するべきだったよね……。
「あ、あの、芽衣。」
「なに?」
思いの外、怒った様子ではなかったが、やっぱり元気はなかった。
もうこれは、謝ろう。
「ごめん!昨日連絡もなしに帰っちゃって!」
頭を下げるけど、しばらく声は聞こえてこなかった。
不安になって上目遣いに芽衣を見上げると、困ったように笑った芽衣の姿があった。
「…ほんとはね、噂で色々回ってたから、状況は知ってたんだ。」
「そうなんだ。」
(まあ、蓮も瀬川さんも有名人だもんね。)