浮気男と俺様男






今日はどれだけ沈黙になるんだ、と


少々自分自身に呆れてしまうが


私から智哉に話しかけようとは思わない





すると、智哉が口を開いた。




「今日は……ごめん」




どれに対しての “ごめん” なのかは


私には分からないけど


何だか、今日の智哉は謝ってばかり




「結衣以外の女とセックスするなんて、俺本当最低だよな」




………



はっきりと智哉に言われてしまい、



あれは夢ではないんだと思ってしまった



まだそんな浅はかな願いを抱いていたのかと


自分がどれだけ馬鹿なのか痛感した



篤稀くんの言ったとおりだね




返す言葉のない私に、智哉は言葉を続ける




「あの時も言ったけど、結衣と初めて一つになって、セックスすることの快感を覚えた。

俺はやっぱり男だから結衣と会うたびに前々からずっと結衣と“したい”とは思ってたんだ。

だけど、俺も結衣も初めてだったし
失敗したら恥ずいから、なかなか結衣に手を出すことが出来なかった」



はっきりとした口調で、智哉がそんな生々しい話をするものだから


私のほうが恥ずかしくなって顔が真っ赤になる
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