ときには手を

名前、ちょっとだけ、私が決めたかったな…なんて

どうせ大した案も浮かばないんだけど

「葉月」

もうこのまま行ってしまうかと思ったら

日高くんはピタッと止まって振り返った

「…名前、ちゃんと考えてきてよ」

「…え」

「すぐ思いつかないんだったら、ゆっくりでいいから」

「…っ」

「葉月がつけて」

私なんてとろくて鈍臭いめんどくさい女
なのに

プリンだなんてすぐ女の子らしく

かわいい名前が思いつく彼女とは程遠いのに
< 46 / 64 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop