LOVEPAIN④


「――音消してたから」


言いにくいように、そう呟いた




「そうですか……」



成瀬から漂って来る匂いだけじゃなくて、
その雰囲気からも分かる



成瀬は杉浦さんを、抱いたんだ



そう思うと、胸に何か突き刺さったように痛む




「――ああ」


伏せるように視線を逸らされた




「成瀬さん、一人ですか?
杉浦さんは?」



ホテルの前で別れたのだろうか?


今、成瀬は一人だから



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