LOVEPAIN④


私はその男が痛みで動けないその隙をついて、寝ていたベッドから降りると、

そのままベランダに出ようと思い、
掃き出し窓のロックを外した



ベランダから大声で助けを求めたら、いいのかもしれない


隣の篤が、助けに来てくれるかもしれない



下半身が裸なのも、
今は気にならなくて、

誰でもいいから助けてほしい



私が掃き出し窓を開けて、
外に出ようとした時に一度振り返ったが、

その目だし帽の男は慌てて玄関に向かい逃げようとしている



その後ろ姿を見ながら、

その目だし帽の男が部屋から出て行くのを確認すると、
私は床に座り込んだ



バタン、とドアの閉まる音




後から押し寄せるように感じる恐怖と助かったと言う安堵から、
涙がポロポロと溢れて、

掴んだカーテンで顔を押さえて泣いた




本当に怖かった




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