LOVEPAIN④

「あ、そういやぁ、お前、
あん時、スタジオで見たような?」



成瀬は思い出したように、
日暮君の顔をまじまじと見ている


彼の前へと向かい合うように腰を床に下ろすと、

気のせいか?
と言うように首を捻っている



成瀬の記憶力が良くても、

一度廊下ですれ違ったくらいの相手の顔を、
ハッキリとは覚えてないだろうから




あの鞄が盗まれた時、
彼とはあのスタジオの廊下で一度すれ違った



私は撮影用のビキニにバスローブ姿で、

そんな自分を同級生、
同じK高校の人間に見られるのが嫌で俯いていた



その時の日暮君は、
元写真部の同期や後輩達と一緒に楽しそうに話していて、

こちらに気付いているのかいないのかは、
分からなかったけど


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