LOVEPAIN④

「――あの後、一緒に居た子達にトイレに行くって言って…。
ロッカーの前に誰も居なくて。

あの時、使用されてるロッカーが一つだけで。

試しにダイヤルを鈴木さんの誕生日に合わせたら、開いて…」


日暮君は震える声で断片的に話すが、
それでなんとなく鞄の盗難の状況は分かった




「そのまま鞄持って、
そうしたら、そんな事をしてしまってどうしていいのか焦って、
スタジオから出て。

中見たら携帯電話が有って、
気付いたら無意識に鈴木さんの番号とか赤外線で自分の携帯に移してて。

鍵は、合鍵を近くの鍵屋で作ったけど…。

でも、その鍵は使う気なんてなくて。

自分でも何故そんな事したのかよく分かんないんだけど、なんだろ…」



なんとなく、往生際が悪いのか、
少しまだ自分を庇っているようなその言葉に、

腹立ちも感じる


チッ、と舌打ちをした成瀬も同じなのか



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