LOVEPAIN④


「だけど成瀬さん、
よく一年前に会った女の事なんか覚えてましたよね?」



「え、ああ。
けっこう可愛い子だったから」




そんな些細な会話にズキズキと胸が痛くて、

早く食べてこの場から居なくなりたい




「雨の日に傘あげたって。
本当、ドラマみたいな展開っすよね。

俺なら手ぇ引っ張って雨宿りだって言って、
ホテルでヤッちゃいますけど」



「べつに、もう会社の近くだったし、
ビニール傘だからいいやって思っただけで。

特に、あの子に下心は無かったか――」



「でも、勤め先迄訊いてるじゃないですか?

それって、また会いたいからでしょ!」



二人の話しを遮って、そう訊いていた



芽衣子さんが近くの歯科医院で働いているのだと、
成瀬は知っていた


もしかしたら成瀬が訊いたのではなくて、

芽衣子さんから話したのかもしれないけど






< 369 / 497 >

この作品をシェア

pagetop