LOVEPAIN④
迎え

店から離れ、一人歩いていると



「あ、君、一人?」


すっ、と横に並ばれる



チラリ、と見てみると、
大学生くらいの若い男の人


容姿は遊んでそうだけど、
そこそこカッコいい




「さっき迄みんなで飲んでたんだけどね。

このまま帰るのもあれだから、
今から二人でどっか遊びに行かない?」



「行かな……」



断ろうと思ったけど、
特に断る理由が見付からない



この後の予定なんて、ないし



べつに私がこのままこの人に付いて行っても、
傷付く人は誰も居ない



それに、寂しい



この人のような行きずりの男性なら後腐れもなくて、

寂しさを埋めるだけの相手にはうってつけ



イケメンだし、軽そうだし、
本当に申し分ない




“――広子、幸せになれよ――”


そう頭に浮かんだのは、
須田に先程言われた言葉



こんな事ばかりしていて、
幸せになんてなれるはずがないな……



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