Innocent Smile~ずっと一緒に~
「佐那子さん」
今朝聞いた、低い声のまま。
恭哉が私のところまできて、名前を呼んだ。
「デスクの上に、前に言ってた資料置いときましたから。
後で見といてもらえますか?」
冷たい声色でそれだけ言うと、くるりと体を反転させて私に背を向ける。
「ありゃりゃ……」
沙織先輩が額に手をやって、小声で呟いた。
足早に去っていこうとする恭哉を、私は席を立って追いかける。
「ちょ、ちょっと!!」
「…何ですか?」
「いいから、ちょっと来て!」
私は恭哉の腕を掴んで歩き、一番近くにあった来客用の小さな応接室へ入った。
今は昼休みだから、ここを使う人はいない。