Innocent Smile~ずっと一緒に~
「ねぇ、佐那子。とりあえずメシ食いに行こ? 俺、腹減ったぁ。」
「夕飯、まだだったの?」
「だって、佐那子と一緒に食べようと思ってたから。
……って、ん? なんか、いい匂いするぞ?」
ただでさえ、普段から尻尾を振ってる仔犬みたいな恭哉が、
鼻をクンクンと鳴らして部屋の匂いを嗅いだ犬っぽい動作に、思わずクスっと笑いが零れる。
「私が作ったのでよければ、食べる?」
「えっ?! 佐那子…料理できるの?」
「……少しは、ね。」
一人暮らしを初めて、もう10年以上が経つ。
嫌でも自然と自炊はするようになった。
仕事でグッタリ最高に疲れたときや、飲みに誘われたりしたときは、料理はしないけど。