Innocent Smile~ずっと一緒に~

「ま、まさか佐那子の手料理食えるなんて!

俺、めちゃくちゃ嬉しいっ!!
スッゲー嬉しいっ!!
人生で最高に嬉しいっ!!」

「わかったって! もう……大袈裟なんだから……」


黙って聞いていれば、ずっと褒め殺しの言葉を並べそうな恭哉を遮る。

それでも、いつも以上に恭哉のニコニコ笑顔は、満開の花みたいになっていた。

感動だよ~とか、小さな声の独り言まで聞こえる。


恭哉という人間がつかめなくて疲れる反面、
こうやって料理くらいのことで喜ばれると、嬉しかったりもするんだよね。


「ここに運ぶから、ちょっと待ってて。」


そう言い残して、私はキッチンに行ったんだけど……
すぐさま狭いキッチンで、背後に気配を感じる。

振り返ると、嬉しそうな表情の恭哉が立っていた。


< 130 / 374 >

この作品をシェア

pagetop