Innocent Smile~ずっと一緒に~
「そ。二人で旅行!
だって俺たち、お盆休みも映画以外どこにも行けなかったじゃん。
だから、二人でどっか出かけたいなーって思って。」
「……そうね。旅行もいいかもね。
日ごろのストレス解消と、気分転換になるし。」
私がそう答えた瞬間、恭哉の顔が一段とパッと明るくなった。
「やった! よし、旅行だー! どこ行こうか?
9月だとまだ暑いから、涼しいとこがいい?
北海道とか涼しいよなぁ? 佐那子は行きたいとことかある?」
テンパった恭哉からは、どんどんそんな言葉が紡がれる。
「ちょっと落ち着いてよ。」
「そうだな。今晩、いろいろ相談しようよ。」
「……わかった。」
楽しみ!って言いながら、テンションが上がった恭哉が私にまた抱きついてくる。
私は軽く睨みながら、無言で恭哉の体を引き離す。
会社ではベタベタしないで!っていつも言ってあるのに。
いくら私たちの関係がバレてもいいって思ったとしても、
堂々とイチャイチャするのは別の話だ。