レンタルボーイ
七割の期待と三割の不安を胸に、社会科準備室に急ぐ。
まるで、すれちがっていく生徒たちがスローモーションのようにゆっくり時を刻んでるような気がする。
一歩一歩、足を前に出すたびに、鼓動がドクン…ドクンって体の中で響く。
もう目の前には、社会科準備室と文字が掛けられた扉が一枚。
その扉、一枚の先にあたしの運命を変える…変えてくれる人物がいる。
…何秒だろう…何分だろう
あたしはその場で扉を開けれずにいた。
すぅっと息を吸って、呼吸を整えてあたしは扉をゆっくりあけた。
カラカラカラ…
日差しが差し込む窓のすぐ横に、座って外を眺めている男子生徒がいた。