聖乙女(リル・ファーレ)の叙情詩~奇跡の詩~
ライトの表情が変わった。侵略者のそれに。

「〈光の道〉にはレンズがあるはずだ。この世界に光をもたらす核(レンズ)は…どこにある」

「私の中に。あなたから守るために、核と一体化しました」

リュティアの表情も変わる。守護者のそれに。

「では、俺はお前を殺さなければならない」

ライトはすらりと腰の剣を抜き放った。

二人を包む空気が張り詰める。

「殺されるわけには、まいりません。―――戦います」

聖乙女の手の中に、光の剣が現れる。

彼女の力で〈光の道〉に結界が張られる。

二人だけが結界の中、世界より切り取られる。

二人の視線が激しくぶつかる。

朝日がにらみあう二人を照らす。

はじまりを告げるために。

王と王の、最終決戦の、はじまりを!
< 150 / 172 >

この作品をシェア

pagetop