誰かのために
ホントに申し訳ない気持ちでいっぱいだった。そして、やり切れない気持ち。
この気持ちをどこにぶつければいいのか。

でも、きっと美菜の両親の方があたし以上にこれらの気持ちは大きいだろう。

少したったあと、美菜のお父さんがあたしに、濡れたタオルを持ってきてくれた。

『顔に血がついている。美菜を見つけてくれてありがとう。一緒に美菜が無事出てくることを祈ってくれないか?』

『ありがとうございます。もちろんです。』

顔に血が付いてるなんて気がつかなかった。きっと、美菜を保健室に連れていくときについたのだろう。

なにより、美菜のお父さんの気遣いがうれしかった。
1番美菜の両親が辛いはずなのに。


ただ、今は美菜が無事出てくることをいのろうと思う。

美菜はあたしにとって必要意味がある人だから。

いなければいけない。
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