【完】恋愛距離*.゜ーボクラノキョリー




水着と財布さえあれば良いだろうと適当に準備してから外に出た瞬間、もう帰りたくなった。


とにかく暑い、あと日差しが眩しい。


目を開けてられなくて、最早半目状態だ。


「よーし!じゃあ行くぞ!」

「……帰りてえ」

「いやまだ一歩も動いてないから!」


さすがに早すぎる、と笑われながら、のろのろと昴の後をついて行く。


──海には、電車で二時間ほどで着いた。


「着いたー!」

「じゃあ更衣室行こうぜ」


海に着く頃には日差しにも慣れてきて、とりあえず暑いから海にはいりたかったのだけど。


更衣室に行こうとした俺を、昴は止めた。


「あー待って待って、まず挨拶してから」

「は?挨拶?」


誰にだよ?と首をかしげる俺を引っ張り、昴はどこかに行き。


着いたのは、浜辺の端にある海の家だった。



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