【完】恋愛距離*.゜ーボクラノキョリー
──『可愛い子と二人きりで勉強できて』
「なっ……!やめろ!そのニヤニヤ顔やめろ!」
「おいおい照れなくていいだろ?俺別に見てないから、沢森に近寄られて真っ赤になったとことか、さ」
「忘れろー!!!」
なんでそんなことまで知ってんだよ!と岩崎に掴みかかる。
「校内の見回りしてたら偶然見ちゃっただけだっつーの。他意はない」
「あってたまるかよ!」
あーくそ、最悪だ。
よりにもよって岩崎なんかに気付かれるなんて。これからしばらくネタにされるのが目に見えてる。
「青春だな、木村」
「黙れ!」
それからもギャーギャーと言い合いをして(おもに俺が言ってただけ)放課後になる頃には精神的にクタクタだった。
だけど……。
「あ、木村君」
──こいつの顔見ただけで疲れなんか吹っ飛ぶから、恋って怖い。