別れたオトコと会う時は
四日め、会社に行った。


席に着くなり、アイツがやってきた。


『昼休み、自動販売機の前で、待ってる。』







お昼休み、重い足どりで自動販売機に向かう途中、一人の女の子に呼び止められる。


以前、アイツを好きだと噂のあった女の子だった。


『ハナ先輩…。杉田先輩と別れたんじゃないんですか?』


『もう別れてる、よ…?』


『わたしは杉田先輩に振られました。ハナ先輩のことがまだ忘れられない、って振られました。』


女の子は、涙いっぱい溜めた真剣な顔で、まくし立てる。


『ハナ先輩は、ずるい。』

< 52 / 200 >

この作品をシェア

pagetop