ビターな彼氏の甘い誘惑
■我がまま彼女

とりあえず、抱きしめたい


**


俺は、よく『不機嫌な男』と評される。
おいおい、
そりゃ、仕事だし 結構役職だし
へらへらして まとめられるなら そうしてるが

俺の力量はそこまで到達していない。

じゃぁ、部下をまとめるために
怒鳴るし、笑わない。
だからみんな俺を『笑わない男』と思ってるんだろうな。




でも、
実際は 笑うし、冗談だっていうし、



「嫉妬だってするんだ」
「え?何?」
「何でもない。利理。」


彼女の腕をぐいっと引き寄せて
頭に ちゅ っとキスを落とす。

「・・っ」

利理の顔が赤くなる。

大胆で、我がままで自分の意見をズバズバ言うくせに
こーゆーのは
弱いんだよな。

ふふ。と思わず 笑ってしまう。

かわいいな。


「あの、呉羽部長」
「名前で呼べばいいのに。
 利理?」
「・・・・・・・・ま、雅人部長。」
「なんで、部長つけるの?」
「だって。」

「利理?お願い?」

利理は、また顔を赤くして、小さく「雅人、さん。」
って つぶやいた。

あー、かわいいな。

また ギュッと力をこめた抱きしめて
俺の部屋へと 連れ込んだ。




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