シーソーゲーム
予定通りに駅前の木陰が少々ある噴水近くに集まった。これからが暑くなるという、真夏の昼下がりであった。
水の上を走った風が頬に当たると、とても気持ちいい。今が猛暑の夏だとは思えない。木々のざわめきも、いとをかしだ。
先に着いていた
「遅くなった。悪い」
最後に来たのはリョウとミズキだった。なんと十分も遅れて着た。
「遅い。罰金」
それは当然のごとくの口調だった。私たちはいつも、こうやってどこか遠征に行く時、必ず決まってビリは駅前の喫茶店でおごらせている。今日も例により、餌食となるのはリョウとミズキだ。
「お腹が空いたから、そこの店でなんかおごりなさい。決定」
「おいおい。俺たち、たいしたお金なんて持ってないぞ」
「そうだよ。今日ぐらいはさ。ただでさえ少ない小遣いで…」
「とりあえず、おごればいいの。ね、ミズ」
「…え。あ、ごめん。聞いてなかった。何?何の話?」
ミズの髪は風にあおられ、なびいていた。誰かに優しくなでられているように、その髪の毛は気持ち良さそうに宙を泳ぐ。
「もう。こいつらが遅れたから、そこの店でこいつらのお金でおごりだっていう話」
「ああ、そうなの…それって決まりなの?」
「うん。決まり」
「まあ…そうなんだけどね」
ミズキは照れるようにして笑った。
しかしミズは違った。その場にいる三人の誰もがおごりだと思っていた。しかしミズだけは違った。
「今日ぐらいはいいんじゃない。そこでペットボトルぐらいでいいと思う」
「そ、そう。そうだよ。それでいいと思うぜ」
「そうそう。ペットボトルぐらいなら手ごろだしな」
私は迷った。いや、困惑だろうか。ミズの一言で、場の雰囲気は一気に水に持っていかれてしまった。そのことに対する困惑だと思う。
「ま…まあ、いいわ。それで我慢する」
駅前のコンビニでペットボトルついでおにぎりも買ってもらい、荷物を持っていよいよ電車に乗り込んだ。
電車の中で、上手い具合にリョウの隣になれた。リョウが一番端に座っているので、誰にも邪魔されずに話できる。
水の上を走った風が頬に当たると、とても気持ちいい。今が猛暑の夏だとは思えない。木々のざわめきも、いとをかしだ。
先に着いていた
「遅くなった。悪い」
最後に来たのはリョウとミズキだった。なんと十分も遅れて着た。
「遅い。罰金」
それは当然のごとくの口調だった。私たちはいつも、こうやってどこか遠征に行く時、必ず決まってビリは駅前の喫茶店でおごらせている。今日も例により、餌食となるのはリョウとミズキだ。
「お腹が空いたから、そこの店でなんかおごりなさい。決定」
「おいおい。俺たち、たいしたお金なんて持ってないぞ」
「そうだよ。今日ぐらいはさ。ただでさえ少ない小遣いで…」
「とりあえず、おごればいいの。ね、ミズ」
「…え。あ、ごめん。聞いてなかった。何?何の話?」
ミズの髪は風にあおられ、なびいていた。誰かに優しくなでられているように、その髪の毛は気持ち良さそうに宙を泳ぐ。
「もう。こいつらが遅れたから、そこの店でこいつらのお金でおごりだっていう話」
「ああ、そうなの…それって決まりなの?」
「うん。決まり」
「まあ…そうなんだけどね」
ミズキは照れるようにして笑った。
しかしミズは違った。その場にいる三人の誰もがおごりだと思っていた。しかしミズだけは違った。
「今日ぐらいはいいんじゃない。そこでペットボトルぐらいでいいと思う」
「そ、そう。そうだよ。それでいいと思うぜ」
「そうそう。ペットボトルぐらいなら手ごろだしな」
私は迷った。いや、困惑だろうか。ミズの一言で、場の雰囲気は一気に水に持っていかれてしまった。そのことに対する困惑だと思う。
「ま…まあ、いいわ。それで我慢する」
駅前のコンビニでペットボトルついでおにぎりも買ってもらい、荷物を持っていよいよ電車に乗り込んだ。
電車の中で、上手い具合にリョウの隣になれた。リョウが一番端に座っているので、誰にも邪魔されずに話できる。