シーソーゲーム
 なんだかファンタジックでマンガな要素が取り込まれてきた。

「どうやって守っていたんだ?」

「…周囲に結界を張り、彼らを見えないようにした。能力を使うことによって自分の寿命を削っているのにもかかわらず、だが超能力者は多くもない。彼らは魔法使いや錬金術師としての絶尽することを決意した。彼らは超能力者になった…」

 いつの間にか澁の話に飲み込まれていた。そのおかげで俺が聞こうとしている話の路線からずれていることに気がついた。

「それで、あいつらの変貌はなんだったんだ?」

「…あれは神に与えられし能力による副作用。そして人間の怒りと恨みによる感情の形成。我々には到底理解が出来ないもの。神が創りえたものは、分からない…」

 やはりこいつの実態を知りたくなってきた。気付いてみると、初めの企みは見事に返され、それがあまりに見事すぎて俺は気付かないで好奇心に駆られていたようだ。澁がお宮氷野のことを知っていた事実。どういうことだろうか。

「お前と小海や氷野との関係って何なんだ?」

「…私は彼らとは独立したもの。それ以上の関係はない…」

「そういうことじゃなくて、何でやつらと話してた内容を知っているんだ?」

 澁の返答は確かに適確だ。だが、それは人間として解釈としては間違っているものだった。普通なら分かるようなことを分からない。こいつは一体何なんだろうか。人間辞書がふさわしいかもしれないが、単なる人間では済まされないような気がする。

「…彼らは神から必要とされ、召された者。私は神からの願いを承った者…」

 何の違いがあるのか俺には分からない。

「一体、お前は誰なんだ?」

「…私は、私。澁航…」

「いや、だから、お前は何なんだ?」

「…物質的に言うと、生命体。この地球に住む人間とは違う人間…」

「…で、結局は人間か」

「そう…」

 人間なのは分かったが、こいつはここで生まれて、ここで育ったのだろうか。もしそうであれば、少なくともこんなやつがここにいるはずがない。
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